kindleで最近読んだ本レビュー「バブリング創世記」「ブッダが教える愉快な生き方」「移動時間が好きだ」

バブリング創世記

読みながらこの感覚何かに似てるなあとずっと思っていましたが、今日庭仕事をしていたらふと「あ、フランツカフカの変身と似ているんだ」と答えを見つけました。

 

フランツカフカはあの変身という作品を爆笑しながら人の前で読み上げたらしいですが、このバブリング創世記もなんとなく著者の思う面白さとか電波な感じとかが伝わっては来るのですが、頭のいい人の頭の中を覗き見てるような面白さであって、その話の面白さ自体にのめり込むという感じでは僕自身なかったです。まだその境地に達していないというか、まあ世代観とかそんな言葉が当てはまるのかも知れません。でもずっと心の興味にひっかかって読む手が止まらなかったということは僕にもその眠ってる感覚はあるはずで、そこをトントン叩き起こされるこの感じ。筒井康隆作品はこれが初めてなのですが、もっともっと覗いてみたら面白いことが起きそうだなと思うので、読み漁ろうと思います。

 

ブッダが教える愉快な生き方

この本自体は仏教を正面から教えるのではなく、解説本というか、ゴータマシッダールタがブッダ---目覚めた人になった歴史を紐解き、そこからエッセンスをすくい上げて生き方を説く本です。

仏教は僕の心にもそれなりに浸透していると思っていましたが、改めて極めてる人の優しい解説を読むと、全然わかっていませんでした。

人生一周回ってわかったことがあるみたいな話はありますが、何周も何周も何周も反復して削ぎ落として、なにか得ようとしている人の背中に、そっとヒントをくれるような本でした。

 

移動時間が好きだ

これも読みながらこの人の書く文章の感じ、何かに似てるなあと思ったら、村上春樹でした。村上春樹をもっと現代っぽくしたような、双方にちょっと失礼かもしれないですが、"いい意味で"なんだか抜けた感じと言うか、ありそうでない、なさそうであるそのフワッとした芯と文章に帯びている暖色が心地よかったです。

この頃コロナでもう移動もくそもあまりないのですが、昼行便のバスに乗ってどこか行きたいなーと、ぼんやり頭の片隅に残りました。